●一般労働者派遣●
一般労働者派遣とは、派遣を希望する労働者が人材派遣会社に登録し、派遣先企業が見つかった段階ではじめて人材派遣会社との間に雇用関係を結んで、派遣先での勤務に従事する場合で、「登録型」とも呼ばれており、通常、人材派遣という場合には、この一般労働者派遣を指します。人材派遣会社との雇用関係は、契約期間中のみ継続し、この間、人材派遣会社から給与が支払われることになります。一方、派遣社員と派遣先企業との間には雇用関係がないため、労働法は適用されず、派遣社員を保護するための法律としては労働者派遣法が定められています。ちなみに、この一般労働者派遣事業をおこなう企業は厚生労働大臣からの許可を受ける必要があると定められており、一定条件を満たすことを行政から認められなければ、これをおこなうことはできません(労働者派遣法第5条)。人材派遣会社を選ぶ際には、念のため、この許可を受けているかどうかを確認してみるとよいでしょう。
●特定労働者派遣●
特定労働者派遣事業とは、派遣元が労働者を正社員として常用雇用する場合であり、派遣先が見つかるか否かとは関係なく人材派遣会社と労働者の間に雇用関係が結ばれ、給与が支払われることとなる場合で、「常用型」とも呼ばれています。一般労働者派遣の場合と異なり、派遣期間が終了しても給与が支払われることとなるため、労働者に対して、より安定した雇用を保証することとなります。このため、人材派遣会社は、派遣期間の終了と同時に、次の派遣先を用意しておくなど、より積極的な派遣先の紹介をおこなうほか、労働者に対する教育訓練や研修などによりスキルアップを促すなど、労働者にとっても、より有利な環境を用意していると考えることが可能です。そのため、労働者派遣法においても、特定労働者派遣事業をおこなうには厚生労働大臣への届出があればよいとされており、許可制が採られる一般労働者派遣事業よりゆるやかな基準が定められています。ただし、この場合でも常用雇用労働者以外の派遣労働者をひとりでも派遣する場合には、一般労働者派遣事業の許可が必要となるので、人材派遣会社は注意が必要です。
●紹介予定派遣●
紹介予定派遣とは、人材派遣会社が、派遣先企業への就業を考えている労働者を、正社員または契約社員として人材紹介することを予定して、一定期間、派遣先企業への派遣をおこなう場合をいいます。これにより、派遣期間中、派遣先企業と派遣社員とは互いに希望条件に合う人材か、企業かを見極めることができ、雇用成立後のミスマッチというリスクを防ぐことができます。これにより、派遣期間満了後に雇用が成立する場合には、安定した雇用関係となりやすく、より安定した長期雇用を望む場合に有効な制度といえます。ただし、この紹介予定派遣は、すべての派遣会社でおこなっているわけではないので、希望する際には、紹介予定派遣をおこなっているかどうかを確認したうえで、人材派遣会社を選ぶ必要があります。また、派遣期間はあくまでも試用期間であるため、紹介予定派遣が決まっても、期間満了後に必ず派遣先企業に就職できるということではないので、その点は留意しておきましょう。また反対に、労働者側も、派遣期間中に自分の希望条件に合わないというようなことが分かれば、期間満了後の雇用を断ることも可能です。ただし、その場合には、その後の手続きをスムーズに運ぶためにも、なるべく早く派遣元企業担当者にその旨を伝えておくとよいでしょう。